《東日本代表決定戦戦評》 粘る東北大の猛攻を凌ぎ、早稲田が辛勝
甲子園ボウル出場の切符をかけ、東日本代表決定戦に勝ち上がったのは早稲田、東北大の2校。強豪日大を制し、5年ぶりのリーグ優勝を果たした早稲田。対する東北大は、4年連続の出場となった。
実力で勝る早稲田であったが、気持ちの入った東北大の勢いに押し負ける場面も見られた。一方、東北大は気迫のプレーでモメンタムを掌握。点数には繋がらなかったものの、早稲田を苦しめる。結果的には、20-10と早稲田の勝利となったが、精彩を欠くプレーが数多く見られた。
早稲田のレシーブで試合開始。フィールド中央付近からの最初の攻撃で、早稲田のエースRB須貝が一気に57ヤードを走り抜け先制TD(早7-0東)。
続く東北大の攻撃を難なく抑えると、2シリーズ目でも、RB藤井がゴール前までロングゲイン。しかし、ゴール目前でファンブル、東北大がこれをリカバーし失点を防いだ。
早稲田は攻撃の手を緩めず、東北大はまたも追い込まれる。しかし、ここは東北大DL長友がロスタックルを決め、早稲田をFGに抑え、得点を10-0とした。
これで火がついた東北大は、TE高橋へのパスで今試合初のダウン更新、これで勢いがついた。
2Q、早稲田はQB坂梨のパスが決まらず、攻撃が停滞。東北大の好パントにより、自陣7ヤードからの攻撃を強いられる。ここから得意のランオフェンスで連続ダウン更新。陣地を進め、最後はRB須貝がTDを決める(早17-0東)。
東北大も負けてはいない。RB若狭がオプションピッチでゲインすると、QB生駒のキープが機能し始める。土壇場でWR石母田がリバースでダウン更新するなど、早稲田のディフェンスを翻弄。得点には繋がらなかったものの、気迫のプレーで押し続け、早稲田にペースを掴ませないまま前半を終えた。
3Q、東北大の反撃。東北大のOLが相手ディフェンスを押し始めると、RB若狭がオープンのランで連続ダウン更新。早稲田のディフェンスのペナルティもあり、じりじりと敵陣へ進むと、FG成功で東北大が初得点をあげる(東3-17早)。
毎回5、6ヤード進む東北大の攻撃で、じっくりと時間を使われた早稲田は、3Qで得点することが出来ず4Qを迎えた。
東北大の勢いは4Qになっても治まらず、早稲田の最初のシリーズを、FGに終わらせる(早20-3東)。TDが欲しい東北大は、敵陣32ヤード付近で4thダウンギャンブルを試みるも、ここは早稲田に阻まれる。
確実に点差を広げたい早稲田は、ランを中心に攻撃を組み立てていく。1年生のRB高根、2年生のRB越智など多くのRB陣が登場し、層の厚さを見せつけた。
しかし、敵陣に入ったところでの4thダウンギャンブルは、東北大LB伊豆田の早いタックルにより阻止され、またも、ペースをつかめないままドライブを終えた。
4Q残り2分を切った東北大最後のシリーズは、WR陣が奮闘。次々とパスをヒットさせると一気にゴール前へ。最後はRB若狭がエンドゾーンに飛び込み、待望のTDを決めた(東10-20早)。
残り50秒ほど残し、オンサイドキックを試みるも、ボールを取ったのは早稲田。そのまま時間をイートし試合終了。20-10の僅差で早稲田が勝利を収め、甲子園ボウル出場を決めた。
+++
記事;高橋 団(早稲田スポーツ新聞会)
写真;近藤廉一郎(早稲田スポーツ新聞会)