Road to Koshienbowl 日程&結果【全国】

破壊力ある攻守で観客を魅了するマルーンの猛獣

関学の6連覇を阻み、悲願を達成した立命館大学パンサーズ。しかし彼らの眼差しは、既に最終目標である日本一に向いている。続く西日本代表校決定戦では、初めて東海地区の壁を破った西南学院大に快勝、甲子園ボウルへと駒を進めた。


彼らの強さはその破壊力にある。攻撃、守備ともに対戦相手のスキームを圧倒的なパワーで粉砕し、勝利に結びつける試合展開が特徴だ。

オフェンスはランアタックを基軸にしているが、若手中心のパス攻撃も見逃せないところ。誰しも注目せざるを得ない存在のRB西村(七)は今季900ヤード、13TDを稼ぎ、
関西制覇に大きく貢献した。“あと一押し”が必要な場面で、天性の突破力がチームを助ける。またRBでは、力強いランを見せるRB長谷川(航)らも活躍必至。試合前半は、まずこの自慢の地上戦で主導権を奪いにいくだろう。
もちろんQB西山からピンポイントでWRに通すあざやかなパス攻撃にも注目。WRには立命館宇治高コンビとなるWR近江、俊足で相手を置き去りにするWR猪熊らが控えており、ターゲットは十分揃っている。
若きQB西山が大舞台でも落ち着いた試合運びを展開できれば、甲子園の制空権は立命大に転がってくる。
そして何よりも、今季はOLユニットの出来が素晴らしい。副将のOL遠藤以下、経験を積んだメンバーの集大成。抜群のブロッキングで、立命大ドライブの原動力となっている。目立ちにくいポジションではあるが、彼らの強さこそ立命大の最大の武器である。

ディフェンスに目をやると、近年注力していた5バック、そして伝統的に強さを誇るフロントが今季開花した。

主将の田辺率いるDL陣は、ここ数年で最強といっても過言ではない。中央戦線を支配するDL仲里、そして好ラッシュを見せる両エンドのDL大野、松原らが相手に襲いかかり、攻撃プレーが成立前するになぎ倒す。
DBでは読み抜群のDB長尾や、熟練のDB奥田、怪我明けにはなるがハードタックルが売りのDB八条など、機動力を活かした構成で失点を最小限に防いでいる。
また中軸となるLB陣は、LB浦野と長谷川(仁)が年間を通し、安定した実力を発揮、最後の詰めをしっかり担っている。今季は特にランディフェンスが好調で、関西学生リーグでランによる総喪失301ヤード、1回平均1.75ヤードに抑えた。トータルでも総喪失1130ヤード、47失点とリーグ最小を記録した。
全ての試合で大崩れせず、むしろ守備から自分たちのリズムを作っていける力を持っている。ディフェンスの選手達それぞれが、目立つプレーを見せることとなれば、自ずと陣地は有利となり、オフェンスに良いポジションでボールを渡すことが出来よう。

今春0-24と完封負けを喫した早稲田に、果たしてどのような戦いを挑むのか。前回出場した甲子園ボウルと同じ巡り会わせとなるが、今回も最高のドラマが待っているに違いない。
70回大会という節目に、マルーンの猛獣達の躍動が、聖地・甲子園の歴史に新たな1ページを加える。

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記事;上田哲也(rtv)
http://rtv-live.org/
写真;P-TALK
http://www.p-gallery.jp/stm_shimizu.html
編集;畠中隆好(officeNEAR/甲子園ボウルPJT)

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