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topics 2015-12-21

【パンサーズ、かく戦えり】 「5年ぶりの王座奪還。駆け抜けた学生日本一への道」

5年ぶりに甲子園の場で再戦となった立命大と早稲田が、記念大会となる第70回毎日甲子園ボウルを沸かせた。一歩も譲らない両チームの激闘は、立命大が28-27で早稲田の猛追を振り切り5年ぶり8回目の優勝を果たした。

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試合序盤は、堅守が持ち味の両チームの守備陣が奮起。ラン中心でオフェンスを仕掛けた立命大、パス中心でオフェンスを組み立てた早稲田だったが、共にファーストダウンを奪うことができない。

最初の流れを掴んだのは立命大。今季リーグ戦で900ヤード、13本のTDを奪ったルーキーRB西村(七)を中心に、早稲田陣内へ攻め込んでいく。その西村をフェイクに使ったパスを1年生TE成田に通し一気にゴール前へ。最後はRB長谷川(航)がエンドゾーンへダイブ。先制のTDを奪った。

 先制後の膠着状態が続く中、2Qに立命大のRB西村(七)が甲子園を再び沸かせる。

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自陣37ヤードからRB西村(七)が右サイドへ快足を飛ばし甲子園での初TD。大舞台でも躍動する西村は、その後さらにもう1本TDを奪い、21-0とリードを広げる。

地上戦を有利に展開し、マルーンの猛獣たちがフィールドで輝きを放つ。

しかし2Q終盤、今度は白の猛獣たちの逆襲が始まった。

前半残り時間4分、パントへと追い込まれた早稲田は、ここでギャンブルを選択。リーグ戦351ヤードを走ったエースRB須貝が、左サイド61ヤードを駆け抜けてTD。モメンタムを引き寄せることに成功する。

さらに、QB政本からWR岡田へ73ヤードのパスが立命大の壁を崩す。立命大は3本のリードから、21-14と一気に点差を詰め寄られて、前半を折り返す。

早稲田の猛攻は後半も続く。好キッカーのK佐藤がFGを決め3点を追加。そしてQB政本がWR諸口へ54ヤードのパスを通しTD。早稲田が24-21と、ついに試合をひっくり返した。

ロングパス攻勢で流れを変えた選手たちに、3塁側の早稲田スタンドからの大きな歓声が甲子園に轟く。

早稲田が引き寄せたモメンタムを再び手繰り寄せようと、立命大は再びランを軸とし立て直しを図る。

エースRB西村(七)が、フィールドを駆け抜け前進。3Q終了間際、ゴール前5ヤードまで陣地を進めた立命大は、QB西山が自らエンドゾーンへ。28-24と勝ち越しに成功する。

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ところがその後、早稲田もK佐藤の38ヤードFGで3点を返し、その差はわずか1点となる。

一進一退の攻防が続く両チーム。5年ぶりの再戦は、最後まで何が起こるか分からない試合展開に。

4Q終盤に、DB奥野(喬)がインターセプトを奪い、立命大がこのまま逃げ切るかと思われた。

しかし早稲田の堅守が立命大の攻撃を抑え、最後の攻撃に望みをかける。

「あの瞬間。正直、覚悟はした」と、米倉監督。試合残り時間3秒。初の栄冠をかけた早稲田は、決まれば優勝となる52ヤードのFGを狙う。

その瞬間、キックカバーチームに入った主将DL田辺の指先がボールに触れた。K佐藤の蹴ったキックは僅かに届かず。28-27で立命大が早稲田の猛追を振り切り、5年ぶりの学生王者奪還を果たした。

甲子園を経験した選手が誰もいない立命大。悔しさを糧に、5年ぶり8回目の学生王者へと返り咲いた。RB西村(七)は、TD2本とチームを引っ張り、史上9人目の年間最優秀選手(ミルズ杯)と甲子園ボウル最優秀選手の2冠を獲得。

57年ぶりとなった1点差での結末。”Rise as one”の言葉通りチームがひとつになって這い上がってきた立命大が、2016年1月3日、7年ぶりの日本一に挑む。

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記事

能政夕介(kotokake)

http://kotokake.jp/

写真

P-TALK

http://www.p-gallery.jp/stm_shimizu.html

編集

上田哲也(rtv)

http://rtv-live.org/

畠中隆好(officeNEAR/甲子園ボウルPJT)

選手権組合せ表